きりきりだらだら

思ったこと、もろもろ。富山では馬鹿者をだらという。

ケガの功名

今日ちょっとした拍子にCDを踏みつけてしまった。
LOOMという古いゲームに付いていたオーディオドラマのCDだった。
気に入っていたのだが、ついうっかりやってしまった。
ミニコンポで再生できるが、PCだとダメのようで、こんな事ならコピーしておけばよかったと後悔しきり。
MDをあさって探したところ、幸い録音してあったMDを見つけた。
しかし最近はMDを使わなくなったので、やっぱりPCで手軽に聴いてみたいし、デジタルなままCDにしたい・・・困った。
やはりネットで手がかりを得ようと調べたら、あっさりあった。LOOM関連の曲
oggファイルでアップされており、これで傷めたCDを復活させることがでる。さらに曲名まで判明したのがうれしい。
特にお気に入りの曲名はBobbinという主人公の名前だった。

IT was long after the passing of the Second Shadow,when dragons ruled the twilight sky....

こんな感じで語り始めるナレーションが何ともムードがある。
当然映像は無いのだけど、LOOMの世界観を把握できるように構成され、結構よくできたドラマになっている。

ドラマの英語版と日本語版、そしてそのBGMに使用されている4曲が入っている。
このBGMはドラマだけのオリジナルのものであり、どの曲も非常に美しいものになっている。
このBGMが、このゲームのキーとなる「開ける」という魔法のメロディー「ミ」「ド」「ミ」「レ」をベースに作られている事を、
クリアした数年後にやっと気づいた。情けない・・・

LOOMというソフト

f:id:kirikirimura:20060617174417j:image
90年にPC用にリリースされ、日本でもFM-TOWNSメガドライブなどにも移植された。
当時のものとして絵も美しく、おもしろい仕掛けがあるアドベンチャーだ。
LOOMというのは機織のことで、機織師の主人公ボビン・スレッドベアが様々な冒険をしていく。(このスレッドベアって響きが好きだ)
ボビンが持つ糸巻き棒はメロディーを奏でる事ができ、そのメロディーは魔法となる。
ボビンが最初に覚えるのは、開ける魔法ミドミレ(音階)だ。
この仕掛けがおもしろく、逆さにレミドミ〜と奏でると閉じる魔法になる。
ボビンが経験を積み重ねると音階も増え、いろいろなメロディーを覚える。
この辺はゼルダ時のオカリナっぽい。自分は時のオカリナをやった時、LOOMをパクッたのかと思った。
そうしてボビンは様々な魔法を身に付け、待ち受ける苦難を乗り越えていく。
f:id:kirikirimura:20060617174419g:image
要所要所でカットシーンがあり、ルーカスアーツならではの映画的な手法が取り入られている。
オープニングの妖精がボビンを起こしにいく設定は、本当に時のオカリナにそっくりだ。
オーディオドラマを聴いたあとプレイすると、このオープニングに繋がるようになっている。
今のムービー全盛の前の時代の、うまい方法だと思う。

f:id:kirikirimura:20060617174418g:image
インターフェイスもシンプルで、メイン画面をどこかクリックすれば移動したり、魔法の対象にしたりできる。
糸巻き棒の部分は、魔法を使いたい場面で希望の音階の位置をクリックしてメロディーにする。
ボビンが魔法を覚えた時は、メロティーと同時に音階の部分が光る。
プレイヤーはこの光った場所とメロディーを覚える事で、魔法を覚えたという事になるわけだ。時のオカリナと似ている。
難易度別にゲームできるのだが、達人モードにはこの視覚的なヒントが表示されないので、耳だけが頼りになる。
ゲーム中はBGMに白鳥の湖の曲が流れ、哀しい運命を背負った主人公と登場人物を盛りたてている。
実はプレイ当時白鳥の湖にハマって、柄にもなくクラシックCDを買ってしまった。後で気付けばあの小澤さんが指揮したものだった。
去年にはさらに柄にもなくバレエ白鳥の湖を観に行ってしまう始末。
 
美しい手描きのグラフィックと、おもしろい台詞が今でも心に強く残っていて、
このLOOMを超えるような感動を味わったソフトが見当たらない。
自分がゲーム開発に携わるきっかけの一つになったソフトでもある。