近くにある名古屋ボストン美術館が近々閉館になるというのを知ったのが最近のこと。近くだし、もう閉じるから観とこうかなという思いで、あと2回の展覧会初日2月18日「ボストン美術館の至宝展」に行ってきました。最後の展覧会「ハピネス」も観られるWチケットが600円割引だったのでこれをゲット、昔持ってたゴッホの画集に載ってた2枚の実物を眼にするべく、若干フランダースの主人公になったような想いで行ってきました。
階段を上がった入り口付近は、鳩のふんがかなり散乱して何とも美術館らしくないです。これももうすぐ閉館するという暗示のような、そんな感じなんでしょう。展覧会会場の手前に、ガチャガチャが設置されていて、今回展示されている絵画のミニチュアのどれか一つが400円で買えます。ガチャガチャは子供の時から数えても2、3回程しか記憶にないほどで、今回は1回だけ挑戦しました。
https://www.facebook.com/nagoya.boston.museum/ より
いよいよ展覧会へ。まず目に飛び込んできたエジプトの発掘品。目の前にあると何とも不思議な感覚です。
両耳の後ろに垂れるのは権威を表すネメス頭巾、頭には上下エジプト統一を象徴する冠…これは我が王である証。切れ長の目、ふっくらとした口元、これまでにない写実的な造形…これはエジプトがアマルナに遷都した時代に我が作られた証。我は新王国時代、第18王朝の王。名前はそう、ツタンカーメン。 pic.twitter.com/cjSQvChsVr
— ボストン美術館の至宝展@名古屋 (@Boston_GC) 2018年2月23日
高官高官って言うけど、実は俺、王子。メンカウラー王の息子のクウエンラー王子とは俺のこと。「書記」って仕事もしてたけど、何も下働きってわけじゃなくて、書記は第4王朝時代に王の息子がやる仕事って決められてたのさ。脚を組んで座るポーズは書記のポーズらしいから、俺も脚組んでみたってわけ。 pic.twitter.com/gjuB2Gs8le
— ボストン美術館の至宝展@名古屋 (@Boston_GC) 2018年2月24日
オレはセンカアマニスケン。ヌビアとエジプトの両方を統治した、あのタハルカ王の孫息子とはオレのこと。ヌビアのクシュ王国の首都、ナパタにあったアメン神の大神殿にどどんと構えてたんだぜ。冠も腰布もサンダルも他のアクセサリーも昔はみーんな金箔で覆われてたんだわ。オレってイケてるだろ? pic.twitter.com/cTZyPBv95M
— ボストン美術館の至宝展@名古屋 (@Boston_GC) 2018年2月24日
中国美術コーナーにあった中国人アーティストの長い長い巻物の絵。何体かの龍がストーリー仕立てで描かれており、まさにスクロールという感じです。生前妹が揃えていた、ドラゴンボールのコミック本の繋がる背表紙を思い出しました。
https://www.facebook.com/nagoya.boston.museum/ より
そして日本のコーナー。浮世絵も自分が実際に実物を目にしたのは初めてかもしれません。また、本家のボストン美術館でも一度しか公開されていないという涅槃図も目にするとスゴい迫力です。
https://www.facebook.com/nagoya.boston.museum/ より
そしてヨーロッパのコーナー。 左 美術歴史家のモーリーン・メルトン氏 https://www.facebook.com/nagoya.boston.museum/ より
ついにゴッホの絵の目の前に立ちました。夫婦2人を描いた、それぞれの肖像画です。心の中で本当に「パトラッシュ、ついにボクはみたんだよ」とつぶやきました。
バカです。 すかさずダチョウ倶楽部の「バカだなあ」が頭の中で響きわたり、思わずポーズもとりそうになって。危ない危ない、やはり場違いの人間はこうだから困ります。
近代絵画のコーナーには、アンディー・ウォーホールのケネディ大統領の妻ジャクリーンをモチーフにしたシルクスクリーンがありました。ケネディ大統領には不思議と思入れがあるので、いかにもウォーホールなその絵にしばらく釘付けになっていました。現在活躍中のアーティストの作品も以外に比較的分かりやすいものが展示されており、普段絵に関心の無い人でも目で楽しめる内容になっている印象です。
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常設展示には、一点だけ動画作品がありました。絵画でよくモチーフになる果物など、静物が朽ち果てて行くまでを撮影し、時間を早送り再生するタイプのもので、35ミリフィルムからデジタル化したものらしいですが、残念ながら解像度がおそらくあっても720Pという感じの映像でした。YouTubeでも4Kにシフトしつつある状況なので、ここはちょっと頑張ってほしかったところです。
売店にはボストン美術館に関連するグッズが売られていたので、記念にゴッホの絵の鉛筆削りなどいくつか買い、今回もう一つの目的だった、同じビルで行われるボストン美術歴史家のモーリーン・メルトン氏による講演会に向かいました。
そしてガチャはというと、自分の中では一番外れというありがちな結果に。残念な思いを胸に、会社の自分の席に鉛筆削りと並べて飾りました。